ワインは世界中で造られています。
ワインショップに足を踏み入れても、どの生産国のコーナーでワインを探せばいいのかわからない方が多いのではないでしょうか。
ふと手に取ってみたワイン。
このワインがどのような香りや味わいのワインなのか、ある程度見当を付けてから購入したいですよね。
そのようなときに一番のヒントとなるのが、ワインに貼られているラベルです。
今回はワインラベルの読み方について」お話していきたいと思います。
このワインラベルのことを、ワイン業界では’’エチケット’’と呼びます。
礼儀やマナーを表すあの’’エチケット’’という言葉と同じとされています。
その理由としては一言、「それを見ることにより、その人の育ちや素性が明らかになる」ということです。
ワインもラベルを読むことにより、そのワインの素性がわかります。
今度、あなたのお嬢様(ご子息)が結婚するとします。
そうなると相手の出身地や年齢などは多少気になりますよね?
一度も会ったことがない「どこの馬の骨かもわからないやつ」と大事なお子様が結婚されるなんて耐えられないのではないでしょうか。
そういうときには一度相手と会ってエチケットをチェックした方が良いのでは?
その人のエチケットを見て育ちを判断することができるのと同様に、ワインもエチケットを見て育ちを判断することができます。
では早速、こちらのワインを例に見ていきましょう。
今回はこちらのワインのラベル(エチケット)を読んでいきましょう。
当たり前ですが、アルファベットばかりですね。
これだけでも日本のワインではないことがわかります。
こ、これは国際結婚か!?
さて、こちらのラベルを見てみると、下記の言葉が目につくのではないでしょうか?
これらは一体何を表しているのか、ひとつずつ見ていきましょう。
こちらはワインの造り手(生産者)の名前です。
造り手の名前は比較的大きく書いてあることが多いですね。
このワインの造り手はエミール ベイエ。
造り手は人の名前の場合もありますし、組合の名前や、銘柄名が記載してあるワインもあります。
顔の見える野菜のように、まず造り手はどなたなのかを把握します。
さぁいきなり年号が出て来ました。
1580年もののワインか!?と思ってしまうと間違いです。
DEPUISとはフランス語で「〜から」という意味です。
この場合、「エミール ベイエという造り手は1580年から続いてる、由緒ある造り手だよ」ということを伝えています。
この造り手の創業年というものは、よくウイスキーやブランデーにも表記してあります。発売された年などと間違える方が多いので注意してください。
こちらはアルザス地方のワインであることを主張しています。
アルザス地方について詳しくはこちらを参考にしてください。
こう大きく産地名が書いてあるとわかりやすいですね。
しかし産地名を大きく書いてないワインはありますし、自分が聞いたこともないワイン産地であることもあるのでそこが難しいところですね。
自分の好きなワイン産地は何となく覚えておくといいですね~。
「どこどこのワインは美味しかった」とソムリエやワインショップの店員に伝えられるだけで、プロはあなたの好みに近づいていけるはずです。
この産地の表記については、フランス ワインの場合下に記載する"Apellation Controlee"を見るとわかります。
フランスにはAOC法(原産地呼称統制法)というものがあります。
こちらはラベルに表記する産地名を統制している法令です。※INAOという機関が管理しています。
フランス以外にも各国似たような法律があり、ワインの原産地を保護しています。
イタリアン版のAOCはDOCGです。DOCGについて気になる方はこちらを参考にしてください。
昔、適当なワインに有名産地の名前を書いて売り出す偽物ワインが横行したため、このような原産地統制法は制定されました。
この"Apellation Controlee"という表記があれば、その間に挟まれて表記している産地(この場合Alsace)のワインであることが証明されています。
そのためこのApellation Controleeを見ることにより、ワインの産地がわかります。
産地を挟まずに、Apellation Controleeの後に記載することもありますね。
AOC法の範囲内のワインであればこの表記はありますので、そのワインの出生地を知るには重要な箇所と言うことができますね。
こちらはブドウ品種の名前です。
フランスの他の産地の場合、あまり品種名は表記していませんが、アルザス地方の場合伝統的に品種を表記しています。
アルザス地方は昔、畑や土地の個性よりも品種に重点を置く傾向があったからです。
しかしアルザスの天才、マルセルダイス氏が混植混醸などで、これには反旗を翻しています。
※別の回にお話させていただきます。
フランス以外では、アメリカやチリなども品種名をはっきりとラベルに記載することが多いですね。
これはキュヴェ名といいますか、ワイン名のようなものです。
エミール ベイエは多くの白ワインを造っており、その中の"TRADITION"というものだということを表しています。
こちらのエミールベイエ トラディッション リースリングは、青リンゴなどのフルーツが香り、綺麗な酸味が特徴の繊細な白ワインです。
辛口過ぎず、和食とも合います。
ホームパーティー用にいかがでしょうか?
この記事ではワインラベル『エチケット』の読み方について解説させていただきました。
ワインは、ワイン名のないものが多く、畑名や造り手の名前で呼ばれることもあるので分かりづらいですね。
しかしこのようにラベルを一つ一つ見ていくと、どの様なワインか把握ができるようになっていきます。
今回は写真にヴィンテージ(そのワインに使用したブドウの収穫年)が載っていませんでしたが、表記はあります。
ワイン選びは難しい!
でも慣れてくるとラベルを読むのも面白いものですよ。