カオールはあまり有名ではありませんが、濃厚な赤ワインを生産しているワイン産地です。
ワイン会などで、「黒ワイン」という単語を、もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。
今回はこのカオールについてお話します。
概略
カオール(Cahors)は、フランスにあるワイン産地です。
あまり知名度は高くありませんが、このカオール周辺はフランスで最も古いワイン産地のひとつと言われています。
1971年にAOCに認定されており、南西地方のうちのトゥールーズ アヴェイロネ地区に含まれています。
南西地方は、フランス西部ボルドー地方の南側に広がっていますが、ワイン産地が点在しており、テロワールが複雑です。
ボルドー地方から続くガロンヌ川や、支流であるロト川、アヴェロン川、タルン川などの影響を受け、様々な環境でワイン造りが行われています。
カオールはガロンヌ川の支流であるロト川流域に位置しています。
また、カオールの町周辺はトリュフやフォワグラの産地として知られており、美食の町としてもカオールは有名なのです。
カオールはボルドー地方よりも降雨量が少なく、凝縮したブドウを収穫することが可能です。
秋には「オータン」と呼ばれる海からの暖かい風が吹き、寒さをやわらげ、カビなどの病害からもブドウを守ります。
カオールの中では東よりも西側の気温が高く、2週間ほど早く収穫が行われています。
特徴
カオールは赤ワインのみが生産されています。
マルベックを75%以上使用することが規定されており、マルベックの他にはメルロやジュランソンなどが栽培されています。
このマルベック(コット、オーセロワ)を使用することで、黒に近い濃厚な色合いのワインが出来るため、カオールの赤ワインは「黒ワイン」とも呼ばれています。
※ルーマニアの赤ワインや、アルゼンチンのマルベックも黒ワインと呼ぶ場合があります。
カオールで生産された赤ワインは、マルベック由来の濃い色調や豊富なタンニンが特徴的で、若い時には強い印象を受けます。
長期熟成が可能なワインが多く、熟成させると刺激的であったタンニンが柔らかく感じられ、真価を発揮します。
また、ポリフェノールが豊富に含まれているため、近年の健康志向に合わせて人気が高まっているワインのうちのひとつです。
おすすめワイン
カオール産のおすすめワインを1本紹介させていただきます。
マルベック デュ クロ クロ トリゲディーナ
カオールを牽引してきたバルデス家が作る赤ワインです。濃厚な果実味としっかりとしたタンニンが特徴的な、飲みごたえのある1本です。