皆さんはVIGNO(ヴィニョ)プロジェクトというものをご存知でしょうか?
チリワインの生産者達がはじめたこのプロジェクトはワイン業界で大変話題となっています。
今回はこのヴィニョ プロジェクト について解説させていただきます。
VIGNO(ヴィニョ)プロジェクトとは
まずVIGNOとは「Vignadores de Carignan」を表した言葉です。
その言葉の通り、チリで伝統的品種であるCarignan(カリニャン)を救うために始まったプロジェクトです。
カリニャンについて詳しくはこちらを参考にしてください。
このプロジェクトはチリ最大のワイン産地であるマウレヴァレーのワイン生産者達が声をあげ、2009年からスタートしました。
カリニャンはチリの伝統的品種と言えども、近年は世界的にもカベルネソーヴィニヨンの人気が高く、チリのワイン産地ではカリニャン が軽視されていました。
そのような現状を打破すべく、カリニャンを使用し厳しい条件を満たしたワインに認証を与えることにしたのです。
厳しい条件とは
カリニャンを使用した低品質なワインにも認証を与えてしまっては、カリニャンの立場を優位にすることはできません。
そのため厳しい条件を満たしたワインにのみ認証を与えることにしています。
その主な条件は以下の通りです。
②樹齢30年以上の古樹
③カリニャン を65%以上使用
④2年間の熟成期間が必要
これらの厳しい条件を満たしたワインには「VIGNO」と表記することが認められ、他のカリニャンを使用した低品質なワインと差別化することができるようになりました。
チリでのカリニャンの歴史
カリニャンがチリの伝統的品種と聞いても、あまっりしっくりこない方も多いのではないでしょうか。
昨今はカベルネソーヴィニヨンのイメージが強いチリですが、以前のチリではパイスが赤ワイン用ブドウ品種として主要な立場にありました。
しかしこのパイスから造られたワインは、色が淡く渋みに欠けるものでした。
そこで、1950年代頃から脚光を浴び始めた品種がカリニャン です。
カリニャンから造られたワインは濃色で強いタンニンをもつ特徴があるため、パイスの弱点を補強するためにカリニャンはブレンドされたのです。
しかしその後、チリにおけるカベルネソーヴィニヨンの成功によってカリニャン は軽視され、現在は800ha程しかカリニャンは栽培されていない状況へと陥ってしまいました。
そのようなカリニャンの復権を目指し、VIGNOプロジェクトが立ち上げられてのです。
VIGNOプロジェクトに参加している主な生産者
VIGNOプロジェクトには、大手ワイナリーから小さな生産者まで様々な生産者が参加しています。
16生産者ほどが参加しており、日本にも輸入されています。
主な生産者
・Concha y Toro コンチャイトロ
・Miguel Torres ミゲルトーレス
・Gillmore ギルモア
・Morande モランデ
・Undurraga ウンドラーガ
最後に
今回はチリのカリニャンの復権を目指したVIGNOプロジェクトについて解説させていただきました。
もしVIGNOと記載してあるワインを見かけたら、是非試してみてくださいね。