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ワインボトルの形状の違いは?何か意味があるの?

ワインコラム

ワインは通常ガラス瓶に詰められて流通しています。

しかし一口にワインボトルと言えども、皆様は様々な形状のワインボトルを見たことがあるのではないでしょうか。

今回は様々なワインボトルの形状の紹介と、形状によるワインの味わいの傾向をお話しさせていただきます。

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ワインボトルの形状の違いとは

細長い瓶に入ったワインや、ぼってりとした瓶に入ったワイン。

その違いは一体何なのでしょうか?

これらの形状を考えていく前に、まずはこのワインが入っているガラス瓶についてお話させていただきます。

ガラス瓶の普及

ガラス瓶が普及したのは17〜18世紀頃のことでした。

それまでにもガラスという素材はありましたが、ワインだけでなく様々な飲料への利用はされていませんでした。

ガラス瓶が普及する前は、『アンフォラ』と呼ばれる甕のようなもので貯蔵されていました。

アンフォラ

『アンフォラ』は自然派ワインの生産者が原点回帰の一環として今も利用していますね。

甕のようであるアンフォラは陶器製ですので、保存性はそこまで高くありません。

そのためガラス瓶が普及したことにより、保存性は飛躍的に向上しました。

そしてワインの品質向上、世界的流通へと繋がったと言われています。

ボルドー型とブルゴーニュ型

ワインボトルには様々な形状がありますが『ボルドー型』『ブルゴーニュ型』と呼ばれている形状が最も流通しています。

・ボルドー型:いかり肩で、細長い形。
・ブルゴーニュ型:なで肩で、太めな形。

このボルドーとブルゴーニュというのは、共にフランスのワイン産地です。

同じフランスのワイン産地ながら造られるワインのタイプが異なるので、両者はことあるごとに比較されています。

ではそれぞれを見ていきましょう!

ボルドー型について

ボルドー型はいかり肩で、細長い形が特徴的です。

このいかり肩であるというのにも理由があります。

それはワインを注ぐ際、ワイン中のオリ(澱)が肩にとどまり、グラスに入ってしまわないようになっています。

ボルドー産のワインは渋みの強いワインが多く、長期熟成向きのワインが大半です。

長期熟成させることによってワイン中のタンニンなどの成分が結合し、オリとして瓶底に沈殿していきます。

その沈殿したオリをグラスに注ぐ際には入れないように工夫する必要があります。

そこでボトルの形をいかり肩にしてオリを食い止めることにしました。

※ボルドー型であっても気にせずに勢いよく注ぐと、オリはグラスに入ってしまいます。

ワインボトルの底が盛り上がっていることも、沈んだオリを舞い上がらせづらくするための工夫です。

そのためブルゴーニュ型よりも、ボルドー型の方が一般的に瓶底は大きく盛り上がっています。

ブルゴーニュ型について

一方ブルゴーニュのワインは、ボルドーよりも比較的渋みが少なく酸味が強いことが特徴です。

そのためいかり肩である必要はありませんでした。

※ブルゴーニュのワインであっても長期熟成させるとオリは生じます。

また、形状がなで肩であるとワインボトルを互い違いに平置きすることができるため、保存・運搬の際にスペースを取らないこともブルゴーニュ型である利点のひとつです。

ボルドー型、ブルゴーニュ型のワインの味わい

一般的に、ボルドー型のワインはボルドー産のワインのスタイルに近いもの、ブルゴーニュ型のワインはブルゴーニュ産のワインのスタイルに近いものが瓶詰めされています。

両者をまとめてみましょう。

・ボルドー型:比較的渋みが強く、コクがあるスタイルのワイン。
品種例)カベルネソーヴィニヨン 、メルロ、シラーズ、ソーヴィニヨン ブラン、ジンファンデルetc…

・ブルゴーニュ型:しっかりした酸味が特徴で、渋みが控えめでエレガントなタイプのワイン。
品種例)ピノノワール、シラー、ネッビオーロ、シャルドネetc…


※これは一般的なものですので、味わいのスタイルを気にせずに形状を選んでいる生産者もいます。

その他のワインボトルの形

ボルドー型とブルゴーニュ型以外にも、様々な形状のワインボトルがあります。

いくつか見ていきましょう。

アルザス型

肩がほとんどない、細長い形状のワインボトルです。

ドイツやオーストリア、フランスのアルザス地方で使用されています。

ドイツ系のブドウ品種であるリースリングやゲヴュルツトラミネールなどを使用した場合、国を問わずアルザス型に瓶詰めされることが多いです。

もしこの形状のワインを見かけたら「リースリングのようなドイツ系品種のワインなのかな」と思っていただいても大丈夫だと思います。

ボックスボイテル

「ヤギの玉袋」という変わった意味を持つ、特殊なワインボトル。

ドイツのフランケンで伝統的に使用されている形です。

これはあまり見かけない形状です。

一目見てもワインなのかわからないですよね。

シャンパーニュ型

こちらの形状は皆さんも馴染みがあるのではないでしょうか。

こちらは主にスパークリングワインで利用されているワインボトルですね。

ワインのガス圧に耐えられるように、ボトルの素材が厚くなっています。

通常の薄さのワインボトルでは破裂するリスクがあるのでしょうね。

フィアスコ

藁が巻かれていて、フラスコのような変わった形状をしているワインボトル。

イタリア、トスカーナ州のキャンティで伝統的に使用されている形です。

キャンティ以外では見たことがないですね……

最後に

今回はワインボトルの形状の違いについて解説させていただきました。

高級ワインの場合、ボトルの厚みを厚くして高級感を出し、偽造されないようにしているワイナリーもあるようです。

高級ワインにとって偽造は大きな問題ですからね……

偽造防止とは違いますが魚の形をした個性的なボトルデザインもあります↓

ワイン選びに悩んだ際にはぜひ形状でも、選んでみてくださいね。

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