キャンティは日本でも知名度が高いワインです。
イタリア料理店には必ずキャンティという言葉が付いているワインが在庫してあると思います。
この『キャンティ』とは一体どういうワインなのでしょうか?
今回はキャンティとキャンティ クラシコについて解説させていただきます。
キャンティとは
キャンティとはイタリア最大のDOCGであり、トスカーナ州を代表する赤ワインです。
イタリアで生産されているDOC以上のワインのうち、キャンティはなんと15%も占めているようです。
DOC、DOCGについて詳しくはこちらを参考にしてください。
キャンティ地区はイタリア、トスカーナ州の中心にあります。
トスカーナ州の赤ワインと言えば、ブルネッロ ディ モンタルチーノも有名ですね。
ブルネッロ ディ モンタルチーノが造られているモンタルチーノの丘は、キャンティ地区より南寄りに位置しているワイン産地です。
ブルネッロ ディ モンタルチーノに関して詳しくはこちらを参考にしてください。
キャンティの特徴
キャンティ地区の南はシエナ、北はフィレンツェ郊外、東はアペニン山脈と西は地中海沿岸の丘陵地帯に囲まれています。
土壌は主に粘土質であり、乾燥していて日照量が多く、水はけが良いです。
コッリーナと呼ばれている小さな丘陵があり、その斜面にも畑が広がっています。
使用するブドウ品種はサンジョベーゼがメインで(75〜100%)、そのほかはカナイオーロ、マルヴァジア、トレビアーノなどを使用することが可能です。
フルーティーな果実味と酸、細やかなタンニンが心地よいタイプの赤ワインが多く生産されていますが、その生産量の多さから品質にバラツキのあるDOCGとしても知られています。
キャンティの名前が付いているワイン産地
キャンティは広大なワイン産地ですので、下記の7つの地域に分かれています。
伝統的ワイン産地。
・コッリ フィオレンティーニ
・コッリ アレティーニ
・コッリ セネージ
・コッリーネ ピサーネ
・モンタルチーノ
・ルフィーナ
キャンティの歴史
キャンティ地区では紀元前6世紀頃には、エトルリア人によるワイン造りの文献があります。
12世紀頃には都市国家同士の領地争いが激化し、争いのたびにブドウ畑が荒廃してしまいます。
この時期に畑を守るため、畑の持ち主たちは砦を作り、畑を守ろうとしましていました。
この砦はカステッロ(城)と呼ばれ、今も残っています。
フランスのシャトー(城)のようにイタリアもカステッロとつくワイナリーが多いですね。
その後、16世紀にはメディチ家が台頭、トスカーナ州全域を支配して他の貴族達も支配下に治めていきます。
支配下に入った貴族達は様々な事業に手を出していきますが、18世紀にはメディチ家が崩壊。
支配下にあった貴族達も財政的に追い込まれてしまいました。
そこで手元に残った広い土地とブドウ畑、自家消費用であったワイン造りをビジネスへと方向転換しました。
これが上手くいき、キャンティはワイン産地として有名になりましたが、イタリアの他の地域でもキャンティの名前をつけてワインの販売を行う偽造が横行してしまいます。
そういった不正を止めるべく、1716年にトスカーナ大公のコジモ三世がフィレンツェとシエナの間の70000haの土地をキャンティの生産地域と規定しました。
生産地域の規定は当時としては新しい試みでしたが、それがキャンティの名声をより高めることに繋がります。
そして1878年、パリ万博でキャンティのワインが金賞を受賞。
1964年にはDOC、1984年にDOCGに認められ名実ともにイタリア代表するワインとなったのです。
キャンティクラシコとは
先述したように、キャンティ クラシコはキャンティに含まれる7つの地域のうちのひとつです。
実はキャンティは20世紀に入ってから生産地域が拡大されているのです。
1716年にコジモ三世によってキャンティと定められた地域の生産者達は、キャンティの地域が広がるのを快く思っていませんでした。
彼らは1924年には組合を結成。伝統的な産地を守り、キャンティの品質を守ろうとしました。
この組合のシンボルがガッロネロです。
そして1963年、当初キャンティと定められていた伝統的地域は、キャンティ クラシコと名乗ることを認められました。
1987年にその組織の名前は、コンソルツィオ デル マルキオ ストリコ キャンティ クラシコとなり、1996年にはキャンティ クラシコ単独でDOCGに認められています。
キャンティ クラシコを名乗るためには生産地域だけでなく、アルコール度数や熟成規定などの厳しい規定をクリアしなければなりません。
そのためキャンティ クラシコとはキャンティの中でも伝統的な地域で造られ、厳しい基準をクリアしたワインということになります。
キャンティ クラシコのエリアは標高300〜500mとキャンティの中でも標高が高く、岩が少し混じったガレストロ土壌をもつことも特徴のひとつです。
キャンティのおすすめワイン
キャンティで造られたおすすめワインをご紹介させていただきます。
キャンティ クラシコ レトロマルチャ モンテベルナルディ
・地域:トスカーナ
・品種:サンジョヴェーゼ
綺麗な酸とピュアな果実味をもつクラシックなキャンティ クラシコです。
おすすめ!!
最後に
今回はキャンティとキャンティクラシコについて解説させていただきました。
キャンティにはお手頃な価格のものから、高級ワインまで様々なものがあります。
是非いろいろと試してみてくださいね。