皆さんはフィアーノという品種を聞いたことがありますでしょうか?
聞いたことがある方は、なかなかのイタリアワイン好きだと思います!
このフィアーノは南イタリアで主に栽培されている土着品種なのです。
今回はこのフィアーノについて、解説させていただきます。
フィアーノとは
フィアーノ(Fiano)は前述したように、南イタリアで栽培されている白ブドウ品種です。
イタリア以外の国ではほとんど栽培されておりません。
実は栽培の中心であるイタリアでも、フィアーノは絶滅の危機に瀕しておりました。
しかし1940年代にアントニオ マストロベラルディーノ氏が伝統品種の再興を目指すと発表し、フィアーノは絶滅することなく復活することができました。
このアントニオ マストロベラルディーノ氏は自身の畑に混植されていたフィアーノを選別・特定し、フィアーノからワインを作ったようです。
様々な品種がごちゃ混ぜで栽培されている混植という状況下から一つの品種でワインを造るのは相当な手間がかかったことだろうと思います(;^ω^)
フィアーノを使用した有名なワインといえば、DOCG フィアーノ ディ アヴェッリーノが挙げられます。
フィアーノの特徴
フィアーノの果房は小~中程度の大きさで、強い果皮を持ちます。病気に強く、貴腐菌が果皮に付着しやすいことも特徴のひとつです。
フィアーノは熟しやすく、アルコール度数が上がりやすい品種です。
今はフィアーノを使用した辛口のワインが多いのですが、昔は甘口が多かったようです。
それは貴腐菌が付着しやすいことと熟しやすいことが要因なのかもしれませんね。
フィアーノを使用したワインは花やヘーゼルナッツのような香りが特徴的です。花の蜜のような香りも感じられ、熟成したワインにはぺトロール香(重油香)も感じられます。
味わいではフレッシュな印象を受けるワインが多く、爽やかな酸も感じられます。
主な産地
フィアーノは南イタリアで主に栽培されています。
その中でも特に重要な産地として挙げられるのはカンパーニャ州です。
先ほどお話ししたフィアーノ ディ アヴェッリーノはカンパーニャ州のDOCGであり、フィアーノの中心地はカンパーニャ州だと言えるでしょう。
カンパーニャ州の中でもラピオ(Lapio)という小さな町が最上のフィアーノを生む地であるとされています。
ラピオは丘が多く、その土壌は砂や粘土が多く含まれています。
フィアーノの別名
フィアーノは昔アピアニスと呼ばれていました。
このアピアニスとはラテン語で「ミツバチに愛された」という意味です。
完熟して甘い香りを漂わせるフィアーノの周りにはミツバチが吸い寄せられていたことからこの名がついたようです。
また、フィアーノの重要な産地であるラピオは昔はアピア(Apia)と呼ばれていました。
それもフィアーノがアピアニスと呼ばれていた理由かもしれませんね。
おすすめワイン
フィアーノを使用したおすすめワインをご紹介させていただきます。
フィアーノ ディ アヴェッリーノ マストロベラルディーノ
・地域:カンパーニャ
・品種:フィアーノ
フィアーノを絶滅の危機から救った生産者、マストロベラルディーノが造るDOCGフィアーノ ディ アヴェッリーノです!
白い花など華やかな香りとジューシーさも感じられる繊細な白ワインです。
フィアーノの代表的な生産者であるマストロベラルディーノのワインを是非お試しください( `ー´)ノ
最後に
今回はフィアーノについてお話させていただきました。
あまり有名ではない品種ですが、扱っているイタリア料理店は多いはずです。
是非見かけたら試してみてくださいね(*´▽`*)