タウラージはあまり一般的に知られてはいませんが、イタリアワイン好きの間では特に人気のあるワイン産地です。
イタリアワインを普段飲まない方でも、フルボディな赤ワインがお好きな方は是非一度試してみてください。
今回はそんなタウラージについて解説させていただきます。
タウラージとは
タウラージ(Taurasi)とはイタリアのカンパーニア州のDOCGです。
白ワインやスパークリングワインは認められておらず、赤ワインのみ生産できるワイン産地です。
イタリアの赤ワインのDOCG中でも評価が高く、南イタリアを代表する赤ワインのひとつです。
DOCGについて詳しくはこちらをどうぞ↓
カンパーニア州(Campania)はイタリアの南部に位置している地域です。
面積はイタリアの20州の中ではそこまで大きくないのですが、人口が州都ミラノ擁するロンバルディア州に次いで多く、南イタリアの中心地といっても過言ではないのではないでしょうか。
さらにナポリは「ナポリを見てから死ね」と言われるほどの景観が有名で、様々な文化遺産もカンパーニア州には含まれています。
位置はこのあたりです↓
タウラージはカンパーニア州の中でも内陸寄りに位置しており、州都ナポリから60kmほどの位置に広がる地域です。
アヴェッリーノ県イルピニア地方の丘陵地帯がタウラージと呼ばれている地域で、その中でも標高の高い地域(400~700m)で高品質なブドウが栽培されています。土壌は火山性土壌。
日照量が豊富で温暖な南イタリアでありながらタウラージにはどこかエレガンスを感じさせる味わいがあります。
それはこの「標高の高さ=冷涼な気候」が一因となっているのでしょう。
タウラージは古くから評判の高いワインではありましたが、その酒質の強さから元々ブレンド用のワインとして利用されていました。
しかしタウラージの実力はそんなものではないと考えていたマストロベラルディーノ家がタウラージをブレンドせずに瓶詰・輸出し、世界中にその品質の高さを知らしめたと言われています。
そのようなマストロベラルディーノ家の尽力により、タウラージは1993年に南イタリアのワインとしては初のDOCGに認定されています。
タウラージのブドウ品種
タウラージでは赤ワインの生産のみ認められており、使用できるブドウ品種も黒ブドウ品種のみです。
85%以上をアリアニコ(Aglianico)という黒ブドウ品種を使用することが定められており、15%までピエディ ロッソといった強い特徴を持たないブドウ品種のブレンドが認められています。
ブドウをブレンドすることはできるのですが、アリアニコを100%使用する生産者が多く、アリアニコの特徴を知ることにも最適な赤ワインです。
ワインの特徴
タウラージの色合いはインクのように濃厚です。
香りは革やコーヒー、胡椒などのスパイスや黒い果実が印象的です。
果実味と酸味やタンニンも強く、どの要素の主張も強く感じられます。
そのため味わいはどこか立体的に感じられ、飲みごたえのあるフルボディなタイプの赤ワインが多く生産されています。
その味わいの強さから長期熟成に耐えられるワインとして知られ、20~30年熟成するポテンシャルも秘めています。
タウラージは最低アルコール度数が12%、熟成期間は3年(そのうち1年以上は木樽熟成)と規定されています。
リゼルヴァ(Riserva)表記をする場合は、最低アルコール度数は12.5%、熟成期間が4年と定められています。そのためリゼルヴァとラベルに表記があった場合、より力強いタイプのタウラージと予想され、より長期の熟成に耐えうる酒質をもつということができます。
おすすめのタウラージ
おすすめのタウラージをご紹介します。
タウラージ ナトゥラリス・ヒストリア マストロベラルディーノ
・地域:カンパーニア州
・品種:アリアニコ
タウラージを世界的にを広めたマストロベラルディーノ家が造るタウラージです。
単一畑「ミラベッラ エクラーノ」に植えられた樹齢40年のアリアニコを使用した赤ワインです。
様々な果実やスパイスのニュアンスが複雑に絡み合った高品質な一本です。
古木を使用した凝縮感のある味わいを楽しみたい方におすすめできる赤ワインです。
最後に
今回はタウラージについて解説させていただきました。
濃厚な赤ワインがお好きな方には超超おすすめ!な赤ワインですので、是非試してみてくださいね。