ワイン王国フランスのワイン産地である『マルサネ』ですが、あまり聞きなれない方も多いのではないでしょうか。
マルサネはブルゴーニュの中でも穴場的な産地ですので、知っておくとお得だと思います。
今回はこのマルサネについて解説させていただきます。
マルサネとは
Marsannay(マルサネ)とは、フランスのブルゴーニュ地方に含まれているワイン産地です。
ブルゴーニュ地方の主要産地であるコート ドールのうち、北側のコート ド ニュイに属しています。
そのコートド ニュイの北部に位置しているのがマルサネです。
コートドール県の県庁所在地であるディジョンから南へ数マイルといった位置関係です。
ワイン産地としてのマルサネは、マルサネ ラ コート(Marsannay la Cote)、クーシー(Couchey)、シュノーヴ(Chenove)の一部を含んでいます。
マルサネの南にはフィサンが位置しています。
フィサンについて詳しくはこちらを参考にしてください。
マルサネのワインの特徴
マルサネでは赤ワインと白ワインを生産することができ、ロゼはマルサネ ロゼとして生産することが出来ます。
畑は標高250~390mほどに位置し、東南向きの穏やかな斜面に広がっています。
赤ワインと白ワインは、斜面の中腹。
そしてロゼは斜面の最上部と県道より下のエリアのブドウで生産されています。
ロゼは標高が高いところと低いところ、赤と白はほどよいところ、というようになっていますね。
マルサネの土壌
北側
母岩はバトニアンの石灰岩、表土は粘土質と泥土質
扇状地
砂利質の沖積土
南側
石灰岩と泥炭岩が母岩で、ジュラ紀後期とバジョシアンの泥灰質とバトニアンのウーライトも見られます。
マルサネの歴史
マルサネでは、20世紀初頭まではピノ ノワールではなく、主にガメイが栽培されていました。
マルサネはコートドールの北部に位置しており、比較的ディジョンの近くです。
そのためディジョン向けに日常消費用ワインを生産し、商業的な成功を収めていました。
成功は収めていましたが、以前は高級ワインの産地というよりも日常的に飲まれるワインの産地というようなイメージでした。
そのような日常消費用ワインの産地であったマルサネのイメージを変えたのは、ジョセフ クレール氏と言われています。
ドメーヌ クレール ダユを興したジョセフ クレール氏は、ガメイとアリゴテの代わりに、シャルドネとピノノワールの栽培を始めました。
そして多くの生産者たちがそれに追随。
シャルドネとピノノワールから造られたワインの品質は高く、マルサネの評価は上がっていきます。
その影響もあって、1965年には格下のアぺラシオンながらブルゴーニュ マルサネ/ブルゴーニュ ロゼ ド マルサネとしてワインを販売することが出来るようになります。
マルサネの生産者達はより格上のアぺラシオンであるコート ド ニュイ ヴィラージュの名前でワインを売ることを望んでいたようですが、それは叶いませんでした。
どうやらコート ド ニュイ ヴィラージュを構成していた各村の反対にあい、実現しなかったようです。
しかし高品質のワインを造り続けていた結果、マルサネは1987年には独立。
赤白ロゼを産出することができる村名の「Marsannay マルサネ」を名乗ることが出来るようになりました。
ブルゴーニュ地方におけるワインの歴史について詳しくはこちらをご覧ください。
マルサネの主要な畑
マルサネには一級畑はありませんが、多くのワインが単一畑で瓶詰めされています。
Clos du Roy クロ デュ ロワ
「王の畑」という名前を持つ、24haある畑。
シュノーヴに位置しています。
Longeroies ロンジュロワ
34haあり、マルサネ ラ コートの北部に位置しています。
下部のバ デ ロンジュロワは赤色の泥灰岩をもち、長命なワインが生産されています。
マルサネのおすすめワイン
マルサネで造られたおすすめのワインをご紹介します。
マルサネ クロ デュ ロワ エルヴェ シャルロパン
・地域:ブルゴーニュ
・品種:ピノ ノワール
リュット レゾネ(減農薬農法)で栽培されたブドウを使用した赤ワインです。
生産者のエルヴェ シャルロパンはフランス国内で高く評価されており、近年人気急上昇中です。
しなやかなボディながらタンニンの主張もあるピノノワールです。
ぜひお試しを。
最後に
今回はワイン産地であるマルサネについて解説させていただきました。
比較的ブルゴーニュではお手頃な価格帯のワインが多いので、是非色々な生産者のワインを試してみてくださいね。