皆さんはGrillo(グリッロ)というブドウ品種名を聞いたことがあるでしょうか。
グリッロはシチリアで主に栽培されている白ブドウ品種です。
あまり知名度は高くありませんが、イタリア料理店であれば在庫しているお店が多いのではないかと思います。
今回はそんなグリッロについてお話させていただきます。
グリッロとは
グリッロは前述したとおり、主にイタリアのシチリア島で栽培されている白ブドウ品種です。
シチリア島の土着品種であるため、フランスワイン好きの方はあまり目にしたことがないかもしれません。
しかしシチリアの誇る酒精強化ワインであるマルサラの原料として、グリッロは非常に重宝されてきました。
ワインの特徴は後述しますが、グリッロを使用したワインは比較的高いアルコール度数をもつため、マルサラの原料に適していたのでしょう。
アルコール発酵の途中で高濃度のアルコールを添加すると酵母は活動を止め、ブドウの甘さが残ったワインができあがります。
甘口~辛口まで様々な味わいのものがあります。
グリッロの起源
グリッロはギリシャからもたらされた説や、プーリア州を起源としてシチリア島に持ち込まれた説がありました。
しかし実際は、グリッロはともにシチリアで栽培されているカタラットとシビッボの交配品種であることが明らかになりました。
グリッロの由来
グリッロ(Grillo)とはイタリア語で「コオロギ」を意味する言葉です。
なぜブドウ品種がコオロギという名前で呼ばれているのでしょうか。
それはブドウの果実が畑に落ちた際に、その高い糖度のためにコオロギが落ちたブドウに集まってきたからだと言われています。
グリッロはコオロギが集まってくるほど糖度が高くなるため、高いアルコール度数を得ることができるのですね。
ブドウ品種の由来についてはこちらでも詳しく説明しています。
グリッロの特徴
グリッロは病害に強く、果房・果粒は比較的大きめなブドウ品種です。
果皮が比較的厚いため、きつく圧搾をするとワインに苦みが残りやすいブドウ品種ともいうことができるでしょう。
グリッロを使用したワインはトロピカルなフレーバーが特徴的です。
桃やマンゴーなどの熟れたフルーツのニュアンスや、柑橘系の香りも感じられます。
味わいではフレッシュな酸味がグリッロを使用したワインに共通して感じやすい要素です。
酸味は強すぎず、どこか軽快さが感じられる仕上がりのワインが多く生産されています。
主な産地
先述したようにグリッロは主にイタリア、特にシチリアで栽培されています。
シチリア島の中では主に西側の地域で栽培されており、白のスティルワインやマルサラの原料として使用されています。
イタリア以外ではあまり見かけない品種ですね。
おすすめワイン
グリッロを使用したおすすめワインをご紹介させていただきます。
コルパッソ グリッロ
・地域:シチリア
・品種:グリッロ
華やかなフルーツの香りとフレッシュな酸。
まさに梅雨の時期にぴったりな白ワインですね。
最後に
今回はイタリアの土着品種であるグリッロをご紹介させていただきました。
イタリア料理店、スーパーマーケットなどでも見かける品種ですので、是非お試しください。