皆さんはコロンバールというブドウ品種を知っていますか?
聞いたことがなくても仕方がないと思います。
このコロンバールはワインよりもブランデーでよく使用されているブドウ品種だからです。
今回はブドウ品種であるコロンバールについて解説させていただきます。
コロンバールとは
コロンバール(Colombard)は先述したようにワイン用の白ブドウ品種です。
強い酸をもつため、食用には適していません。
コロンバールはシュナン ブランとグエ ブランの子孫であり、北アメリカではフレンチ コロンバールとも呼ばれています。
比較的晩熟な品種であるため、寒冷な地域よりも温暖な地域で栽培されています。
2020年の時点で、フランスの白ブドウ品種では第4位の栽培面積を誇りますが、あまり高級ワインで使用されているブドウ品種ではありません。
けれどもコロンバールは、ブランデーの生産において非常に重要なブドウ品種なのです。
ブランデー造りに向いたブドウとは?
まずブランデーとは、ワインを蒸留してアルコール度数を高めた蒸留酒です。
蒸留することによって揮発成分の凝縮したお酒となるため、揮発しやすい酸は蒸留酒にとって重要なのです。
コロンバールを使用すると酸味の強いワインが出来上がり、蒸留することによりその強い酸味が豊かな香味成分へと変わるのです。
また、コロンバールは糖分が少なく酸味が強いので、出来上がるワインのアルコール度数は低くなります。(糖分が多い方がアルコール度数が上がる)
単式蒸留器を使用してブランデーを造る場合、アルコール度数の低いワインを使用した方が、狙ったアルコール度数にするためにより多く蒸留を行うことになります。
そのためコロンバールのような酸味の強いブドウを使用した方が、より芳香成分の凝縮したブランデーが出来上がるのです。
コロンバールの特徴
コロンバールはブランデー造りに使われていることからわかるように、強い酸味が特徴的です。
香りは個性的というわけではありませんが、香りの総量は少なくありません。
フレッシュな果実やミントなど清涼感を感じられる香りや、リンゴやハーブの香りも感じられます。
味わいは辛口のものが多いのですが、その強い酸味とバランスをとるために甘口に仕上げたワインも造られています。
コロンバール100%で造られているワインや、シャルドネやコロンバールの親品種であるシュナン ブランとブレンドされたワインも造られています。
コロンバールの産地
コロンバールは主にフランスと南アフリカ、カリフォルニアで栽培されています。
フランス、特にボルドー地方では白ワインの原料として知られ、先述したようにコニャックの産地であるシャラント県やアルマニャックの産地であるガスコーニュ県では非常に重要なブドウ品種です。
シャラント県はボルドー地方の北、ガスコーニュ県はボルドー地方の南、という位置関係です。
コロンバールを使用したおすすめワイン
コロンバールを使っているおすすめのワインを紹介します。
スー ラ プラージュ ジャン マリー ランベール
・地域: ラングドック
・品種: コロンバール
南フランスで造られたナチュラルワインです。
コロンバールを100%使用しており、コロンバールの特徴を知るためにはおすすめの一本です。
溌溂とした酸味と余韻のほろ苦さ、おすすめ!
最後に
今回はブランデーでも不可欠なワイン用ブドウ品種コロンバールについて解説させていただきました。
補助品種としてもいろいろなワインにブレンドされているので、もしかしたら皆様もすでに飲んだことがあるかもしれませんね。