あまり有名なブドウ品種ではありませんが、ケルナーは近年ワイン業界で注目を集めているブドウ品種です。
名前の響きの通りドイツ系の品種なのですが、北海道でも盛んに栽培されています。
今回はブドウ品種のケルナーについて解説させていただきます。
ケルナーとは
ケルナー(Kerner)は主にドイツで栽培されている白ブドウ品種です。
1929年にドイツでトロリンガーとリースリングの交配品種として誕生しました。
トロリンガー(Trollinger)はフェルナッチやスキアーヴァとも呼ばれている黒ブドウ品種で、ドイツでは2021年の時点では4番目に広く栽培されている黒ブドウ品種です。
リースリングは言わずもがなドイツを代表する白ブドウ品種です。

そのようなトロリンガーとリースリングの交配品種であるケルナーは、リースリングよりも成熟が早く耐寒性も高いことから、ドイツで広く栽培されることになりました。
しかし近年は高貴品種であるリースリングの人気に押され、ドイツの白ブドウ品種では2021年の時点で7番目の栽培面積となっています。
ケルナーの由来
ケルナーはドイツのヴュルテンベルクの研究所で誕生したことから、同じヴュルテンベルク出身の詩人であるユリウス・ケルナー氏から名前をつけたようです。
ユリウス ケルナー氏の詩はシューマンの歌曲にも取り上げられています。
ケルナーの特徴
ケルナーはリースリングと似た特徴をもちますが、香りはまるでマスカットのような華やかさがあります。ミントや柑橘、白桃などのフルーツの香りも感じられ、香りをとるだけでも楽しくなるようなワインが多く生産されています。
酸味はリースリングほど主張は強くはなく、浅くさっぱりとした印象を受けます。そのためタイトなイメージというよりは、フレッシュでフルーティーなタイプがケルナーの特徴と言うこともできるでしょう。
ケルナーを使用した甘口ワインも多く見られ、甘口~辛口、スパークリングワインなど様々なワインにおいてケルナーは使用されています。
ケルナーの産地
ケルナーは先述したように主にドイツで栽培されており、近年日本でも栽培面積が広がっています。
日本でも特に北海道は気候条件がドイツと近いことから、1973年にドイツから苗木を導入して以来、栽培面積が広がっています。
北海道以外では長野や新潟、岩手、滋賀などでも栽培されていますが、日本で栽培されているケルナーの約90%は北海道で栽培されています。
ケルナーはドイツと日本の他にはスイスや北イタリアでも栽培されています。
ケルナーを使用したおすすめワイン
ケルナーを使用したおすすめワインをご紹介させていただきます。
グランポレール 余市 ケルナー
・地域:北海道
・品種:ケルナー
ウイスキーでも有名な北海道の余市で造られた白ワインです。
余市にある契約農家から購入したケルナーを100%使用し、青りんごのようなフレッシュなアロマが感じらる白ワインです。
爽やかな印象ですので暑い夏でもおすすめですね。
最後に
今回は現在日本でも注目されているケルナーについて解説させていただきました。
是非北海道で栽培されたケルナーの白ワインを試してみてください。