近年の健康志向の影響により日本でもベジタリアンやヴィーガンの方が増えてきたように感じます。
オーガニック商品などを選んで購入している方も多いのではないでしょうか。
オーガニックワインはすでに一般的ですが、皆様はヴィーガンの方向けのワインがあるのはご存知でしょうか?
今回はそんなヴィーガン向けのワインについてお話させていただきます。
ヴィーガン向けのワインとは?認証やおすすめワインのご紹介
今回はヴィーガン向けのワインについてお話させていただきます。
まずは『ヴィーガン』という言葉を知らない方のために、ヴィーガンについて軽く説明させていただきます。
ヴィーガンとは
まず皆様も聞いたことがあるであろう『ベジタリアン』は、肉や魚を食さない考え方の人達を指します。
そして『ヴィーガン』は肉や魚を食べないだけでなく、卵や乳製品、はちみつなども食べません。
『ヴィーガン』とは、動物性食品を全く摂らない、『完全菜食主義者』のことなんです。
ヴィーガンとワインの関係
「ヴィーガンが完全菜食主義者であっても、ワインには関係ないのではないか?」という声が聞こえてきそうですね。
確かにワインは動物性食品ではなく、ブドウを原料としたお酒です。
しかし実は、ワインの製法のおける『清澄』という行程で、伝統的に動物性食品が使用されているのです。
清澄とは
ワインは発酵後、濁りがあります。
簡単に言うとこの濁りを取るのが『清澄』という作業です。
そしてこの濁りをとるために伝統的に使用されているものが、動物性食品である『卵白』なのです。
卵白には、アルブミンというタンパク質が含まれているのですが、このアルブミンがワイン中のタンニンと結合しやすい性質を持っています。
そのため卵白を添加すると、苦味成分であるタンニンと結びつき、底に沈殿していきます。
一定期間経過後、その上澄みのみを移せば綺麗なワインが出来上がります。
特に卵白を使った清澄は、ボルドーでは伝統的な方法として行われています。
この清澄によって多くの卵白を消費するので、余った卵黄を使用するために『カヌレ』が作られ始めました。
『カヌレ ド ボルドー』は今でもボルドーでよく売られていますし、日本でも人気のある焼き菓子ですね。
プレゼントに最適ですし、食べたことがない方は通販で買えますので、是非一度試してみてください。
このようにワインでは清澄の際に卵白を使用しているのです。
白ワインでも清澄剤に動物由来のゼラチンを使うことがあるので、大半のワインをヴィーガンの方は飲むことができないのです。
ヴィーガン向けのワインと認証
近年ヴィーガンの方が増えてきたことによって、「ヴィーガンの方達でも楽しむことができるワインを造ろう」という動きが加速しています。
ヴィーガン向けのワインとは、動物性のものを一切使用していないワインです。
『清澄』の際には、鉱物由来のものを使用するか、清澄を行わないという方法がとられます。
そのようなワインであれば、ヴィーガンの方達であっても楽しむことができます。
もしご自身がヴィーガンまたはヴィーガンの方にワインをプレゼントする場合、は『ヴィーガン認証』を受けたワインを選ぶことをお勧めします。
ヴィーガン認証
認証とは第三者機関によって審査され、その機関によってお墨付きを与えられる仕組みのことです。
有機製品では様々な認証団体がありますが、近年『ヴィーガン認証団体』も増えてきています。(日本にもあります)
これらの団体ではそれぞれが『動物性食品禁止』『動物実験禁止』などの認証基準を持っています。
ラベルにただ「ヴィーガン向け」と書いてあるワインだと心配ですので、ヴィーガンの方は「ヴィーガン認証を受けたマーク」がラベルに記載または貼ってあるワインを選ぶと良いでしょう。
ヴィーガンの方におすすめなワイン3選
ヴィーガンの方でも安心の『ヴィーガンフレンドリー』なワインを3本紹介させていただきます。
キュヴェ プレジール ソーヴィニヨンブラン
・地域:ラ マンチャ
・品種:ソーヴィニヨンブラン
オーガニック認証、ヴィーガン認証ともに取得している白ワインです。
ソーヴィニヨンブランらしい溌溂としたフルーツの香り。
ピュアでクリーンな味わいは、野菜料理との相性抜群です。
ノストレ テッレ カベルネソーヴィニヨン
・品種:カベルネ ソーヴィニヨン
こちらもヴィーガン認証取得済みのイタリアワインです。
カベルネ ソーヴィニヨンを使用したしっかりフルボディな赤ワインです。
黒い果実やスパイシーな香りが食欲を引き立てます。
デ ハーン アルテス エル コンベルティード ベルデホ
・地域:カスティーリャ ラ マンチャ
・品種:ベルデホ
こちらも有機栽培・ヴィーガン認証ともに取得している白ワインです。
ベルデホらしい柑橘の香りと豊かな酸。
すっきりとキレのある味わいが特徴的な白ワインです。
最後に
今回はヴィーガンの方向けのワインについてお話をさせていただきました。
食事でヴィーガン対応をしている飲食店だと、在庫しておいたほうが良いですね。
是非お試しください。