皆さんは「エデルツヴィッカー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
あまり有名ではありませんが、フランスのアルザス地方では主要な白ワインのひとつなのです。
今回はこのエデルツヴィッカーについてお話をします。
エデルツヴィッカーとは?
エデルツヴィッカーとはフランスのアルザス地方で生産されている白ワインです。
複数品種を混ぜて醸造する混醸でも、単一品種を醸造したワインをブレンドしても大丈夫です。
いくつものブドウ品種を混ぜて造ることが認められているので、多くのアルザス生産者はカジュアルなラインとしてエデルツヴィッカーを造っています。
エデルツヴィッカーは複数のブドウをブレンドして造っていることが多いので、ブドウ品種の特徴を知るというよりは、その造り手の特徴を知るのにもってこいの白ワインなのです。
その生産者の入門的ワインと言うことが出来るでしょう。
1000mlの割に値段が抑えられているので試しやすいですね。
名前の由来
このエデルツヴィッカー(Edelzwicker)という言葉は、下記の二つの言葉を合わせた造語なのです。
ヴィッカー=ブレンド
高貴なブレンドワインということなのですね。
そらにこのエデルツヴィッカーは初めは『ヴィッガー』とだけ呼ばれていたようです。
しかし「ヴィッカー=ブレンド」という意味だけだと安いイメージがありますので、安価な日常消費用のワインと区別するために、このエデルツ(高貴な)という言葉を付け足したようです。
エデルツヴィッカーは必ず複数品種をブレンドしているのか?
先ほどからエデルツヴィッカーはブレンドワインと言っていますが、単一品種でエデルツヴィッカーを造ることも認められています。
実際リースリング100%やゲヴュルツトラミネール100%でリリースしている生産者もいます。
エデルツヴィッカーという名前を使うよりも違うキュヴェ名で販売したほうが高く販売できるような気もしますが……
エデルツヴィッカーという名前で販売するのは、カジュアルに楽しんで欲しいという造り手からのメッセージなのかもしれませんね。
1Lボトルでの販売が多い
ほとんどのエデルツヴィッカーは1000mlボトルに瓶詰めされて流通しています。
ワインは750mlが一般的なのに、なぜ1000mlなのでしょうか?
その理由は伝統的にアルザス地方ではエデルツヴィッカーを食卓に置いて楽しむものだからのようです。
食卓において家族でワイワイと楽しむワインであれば、1000mlのほうが量的に丁度いいということでしょうか。
そのため元々はエデルツヴィッカーを自家消費用に造っていた生産者が多く、その流れで日本でも1000mlのサイズが多く流通しています。
おすすめのエデルツヴィッカー
エデルツヴィッカーは多くの造り手がリリースしていますが、私が最もおすすめするエデルツヴィッカーはこちらです。
エデルツヴィッカー ローランシュミット
・地域:アルザス
・品種:シルヴァネール、ミュスカ、リースリング、ピノ グリ、ピノ ブラン
ステンレスタンクで熟成され、綺麗な酸味を持つ白ワインです。
ローラン シュミットは、9.7haの畑を所有し、2004年からビオロジー栽培を始めている自然派のワイン生産者です。
可愛い花柄のラベルが印象的。
この花柄ラベルは友人である画家のルイ ダニシェ氏が描いたもので、7枚の花弁はアルザスの高貴な7品種を表してるそうです。
とてもお食事に寄り添いやすく、バランスの良い白ワインです。
Tasting
2016 Edelzwicker Roland Shmit
香りはメロンや白い花、少し重油香があり、かすかに白桃も感じます。
口当たりは柔らかく、程よい粘性、優しい酸味と控えめな果実味。
余韻の軽い渋みが心地良く、全体を締めています。(2018)
最後に
この記事ではエデルツヴィッカーについて解説させていただきました。
ぜひいろいろな生産者のエデルツヴィッカーを試してみてくださいね。