皆さんはピノ ファンという品種をご存じでしょうか?
ピノ ノワールやピノ グリ、ピノ ブランは聞いたことがあるけど……
という方が多いのではないでしょうか。
わからなくても大丈夫です。今回はこのピノファンについて、わかりやすく解説していきます!
ピノ ファンとは?
ピノ ファン(Pinot Fin)とは、ピノ ノワール(Pinot Noir)のクローンの一種なのです。
そのためピノ ノワールと同様に黒ブドウ品種であり、フランスのブルゴーニュ地方で主に栽培されています。
ピノ ノワールの原種に近い、古いクローンであるといわれています。
ピノ ノワールのクローンについて
ピノ ノワールには多くのクローンが存在しています。
30種類以上もあるクローンにはそれぞれ番号が与えられており、ブドウ果粒の大きさによって大きく分けて3つのグループに分けられています。
その3つのグループが、グロ(Gros)、モワイヤン(Moyen)、ファン(Fin)です。

Pinot Gros ピノ グロ
3つのグループの中で最も果粒の大きなクローンが分類されています。
クローン番号292、666、668などが含まれており、その果粒の大きさから比較的収量が多くなるクローンです。
シャンパーニュ地方や、ブルゴーニュの広域ワインなどで主に使用されています。
Pinot Moyen ピノ モワイヤン
3つのグループの中で中ぐらいの果粒のクローンが分類されています。
クローン番号275、459、618などが含まれており、果粒は中程度の大きさであるため多くのブルゴーニュワインで使用されています。
Pinot Fin ピノ ファン
3つのグループの中で小さな果粒であるクローンが分類されています。
クローン番号111、112、667などが含まれており、ブルゴーニュのグラン クリュなど高級ワインが生産される畑などで主に栽培されています。
ピノ ファンよりも果粒が小さなものとしてトレ ファン(Tres Fin)という分類もありますが、今はほとんど見られないようです。
ピノ ファンの特徴
ピノ ファンは先ほどご説明したように、ピノ ノワールの中でも果粒の小さなクローンを示しています。
ピノ ファンは果粒が小さく、果皮も分厚いことがブドウの特徴です。
そのため1房のブドウからとれる果汁は少なくなります。
搾汁された果汁が少ない分、その果汁がもつ要素は濃厚で凝縮感があります。素晴らしい品質のワインを造り上げるには適したブドウ品種ということができるでしょう。
しかしミルランダージュ(結実不良)が起こりやすいなどの問題もあるため、生産者によって栽培には意見が分かれるところです。
比較的ワインの生産量を考える生産者は、ピノ ファンの栽培を選択しづらいのかもしれません。
ワイン造りは生産者にとっては商売ですので、『品質と生産量のバランス』は判断の難しいところになるのではないでしょうか。
ピノ ファンを使用したおすすめワイン
ピノ ファンを使用したおすすめワインをご紹介させていただきます。
ブルゴーニュ ピノ ファン ジャンテ・パンショ
・地域:ブルゴーニュ
・品種:ピノ ファン100%
ピノ ファンを100%使用した希少な赤ワインです。
生産者はジャンテ・パンショ。
ジュヴレ・シャンベルタン屈指の生産者です。
非常にしなやかな造りのワインが多く、私も大好きな生産者です。
是非ピノ ファンを使用した赤ワインをお試しください。
最後に
今回はピノファンについて解説させていただきました。
ブラインドで飲んでもピノ ファンなのかピノ グロなのか、はたまたピノ モワイヤンなのかを当てることは至難の業だと思います(;^_^A
ピノ ノワールに関するひとつの話として、ぼんやりと知っておきましょう~。